せたログ

主に自転車の旅について,不定期投稿します

厳冬期北海道一人旅part5

この旅最長の走行距離となった4日目を経て,オホーツク海に面した街・標津に到着しました.

昨晩に引き続き,連続野宿.何日経ってもこの寒さには慣れません.

標津の朝

午前4時,アラームが鳴り響き起床.一人旅5日目の朝です.

朝食のパスタとおにぎりは凍って,口の中でシャリシャリと音をたてていました.

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冷凍食品をチンせずに食べている気分です.

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シュラフとエマージェンシーシートの間の結露した水滴も凍り,米粒サイズの氷がシュラフ外側にたくさん張り付いていました.

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テントの内側にもびっしりと氷の粉末がついていました.

シングルウォールテントは通気性が悪いため結露しやすいことが弱点ですが,テント内が氷点下になれば結露しても水滴が凍り付いてくれるので,濡れることもなく楽です.

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午前6時前,外がだんだんと明るくなってきました.

一日の中で最も寒く,最も美しい時間です.

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-15℃,手足の末端はロープで縛り付けられたかのように痛みます.

蜃気楼がつくりだす「四角い太陽」は見えるでしょうか.

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あああ...水平線に分厚い雲が...

こうなると四角い太陽は見ることができませんが,太陽の上が心なしか平べったくなっているような気がするのは気のせい?

もしかしたら雲の向こうで四角い太陽ができていたかもしれません.残念.

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真冬のオホーツク海から昇る朝日.

水平線のむこう,ごつごつしているのは流氷でしょうか.

四角い太陽は見れませんでしたが,きっと明日もチャンスがあります.

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凍った波打ち際に朝日が反射して宝石みたいです.

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約20分限りの,橙色の幻想的な世界に包まれ,指先の痛みも忘れてひたすらシャッターを切っていました.

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野付半島

買い出しセコマでいつものパスタと握り飯を買い出したら,荷物を積んで出発です.

今日は野付半島を往復し,いけるところまで走る予定です.

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野付半島唯一の道路を片道20km,往復40km走ります.

背後の知床連山も美しい.

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昨日までと違い,路面が乾いていてとても走りやすい道です.

野付半島は日本最大の砂嘴です.

砂嘴とは堆積した砂が沿岸流により運ばれた漂砂が静水域で堆積して形成される,くちばし形の地形のことです(Wikipediaより).

そんな砂の地形が全長28kmにわたって続くこの野付半島

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道路の片側は凍えるオホーツク海,反対側は結氷した野付湾,という不思議な風景がずっと続きます.

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北方領土国後島も間近に見えます.

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国後島は蜃気楼によって半分ほどが浮島になっていました.

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気温は氷点下なのに逃げ水が.

極寒の地上と強い日差しで温められたアスファルト面が成す温度差が逃げ水を生むようです.

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砂嘴を20km走った先にある野付半島ネイチャーセンターから見る氷平線は乾季のウユニ塩湖のようでした.

氷上はバスツアーの観光客で溢れかえっていました.

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流氷サイダーなるものがあったので購入.

数日前に4人組の自転車乗りがやってきたと,ネイチャーセンターの売店のおじさんから聞きました.

他にも真冬の北海道を走っている馬鹿チャレンジャーがいたんですね!

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ネイチャーセンターには野付半島の航空写真が飾られていました.

上は夏季の,下は冬季の野付半島

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結氷した野付湾の雄大さがひと目でわかります.

写真奥には流氷もはっきりと見えます.

どこまでもスケールが大きい,さすが北海道.

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ネイチャーセンターでひと休みしたところで,来た道を引き返します.

ワカサギ釣りをしている人を見かけたので自転車を降りて氷上を歩いていると,キタキツネに出会いました.

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バイバイ.

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せっかくの氷平線なので記念に写真を撮らねばと自転車を氷上におろしてみました.

氷が薄くなっている箇所もあり,こわかったのでかなり手前での撮影です.

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どこまでも真っ白な地面が続くので,遠近感が薄れてトリック写真が撮りやすくなります.

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はしゃいでジャンプしていますが,この辺りはかなり氷が薄く,冷や汗ものでした.

こんな写真撮ってはしゃいでいますが,一人旅.

近くに人が居ないので,記念撮影も全て一人で完結させます.

三脚にカメラを固定してタイマー連写しながら何度も飛び跳ね続ける若者と一面の雪景色が織りなす,シュールな光景がそこにはありました.(本人はとても楽しんでいます)

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記念写真撮影に満足して走り始めると,エゾシカが道路前方を横切っていきました.

広角レンズなので見えにくいですが,上の写真奥に小さく鹿が写っています.

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野付半島の往復も終わり,根室へ.いけるところまで走ります.

「いけるところまで」とはいえ,野付半島でのんびりし過ぎたので,それほど足を伸ばせそうにはありませんが.

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本土側から見る結氷した野付湾も雄大で,多くの人がワカサギ釣りをしていました.

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「牛蔵ふぁーむ ながの」にて少し遅めのお昼.

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ここは潮彩牛の料理が味わえるとのことだったので,価格的に手が出せそうな丼ぶりを注文.

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遅めの昼食で腹ペコだったせいなのか,ただ単純にとても美味しい肉だったのか,旅から3か月以上経った今でも「とても美味しかった」という記憶と口の中に広がる味が鮮明に残っています.

食事が済んだ後はご主人と30分ほど話しました.

やはり道東,根室方面は風が強いし,JRはすぐに止まるそうです.

根室~札幌間は夜間の都市間バスが出ているから,安いしそれが確実だと,時刻表まで調べて勧めてくださいました.

帰り道は初のバス輪行になりそうです.

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腹を満たしたら近くの温泉,湯元尾岱沼温泉シーサイドホテルへ.

廊下には標津・別海の美しい写真が何枚も飾られていました.

蜃気楼が成す「お化け太陽」,圧巻でした.

露天風呂は,結氷した野付湾を一望できて絶景,タオルがバリバリに凍るほどに寒かったですが,いい湯でした.

このままホテルに泊まりたい気分.

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勿論そのままホテルに泊まる筈もなく,道の駅尾岱沼へ.

ホテルよりこっちの方が断然落ち着きます.(強がり)

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火を沸かして...

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いつも通りの晩飯です.

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冬季閉鎖しないトイレ館は,水道の凍結防止のため暖房が入っており,それなりに暖かいので,利用者の邪魔にならないようにひっそりと寝床を構えます.

今夜は命の心配をせずに済みそうです.

明日は遂に最東端の街・根室市街を目指します.

つづく.