せたログ

主に自転車の旅について,不定期投稿します

GW東北一人旅day01

「もっと遠くへ行かなければ」

大学を卒業した後もずっと、そんな思いに駆り立てられていた。

2019年のGWは平成から令和への改元で10連休となった。

長期ツーリングをするのならここを逃すわけにはいかない。

東北地方は学生時代に一切走らなかったし、走ろうという話があがったこともなかった。

近場の九州、定番の北海道やしまなみ海道、乗鞍や富士山はサイクリング部時代に走ったが、東北は九州からのアクセスが悪い。

18きっぷで行くには時間がかかりすぎてつらいし、航空券は安くない。

だけど、今行かなければ、もう走れないかもしれない。

10連休に会社の有休を+2して、奇跡の12連休が錬成された。

1か月のうちほぼ半分が休みだ(勿論、旅の後は残業地獄になった)

航空券をとって、身支度をした。

5度目の一人旅。今回はどんな景色に出会えるだろうか。

新潟へ

旅のプランは福岡空港から新潟空港へ飛行機輪行

そのまま時計回りに海岸線をぐるっと走って仙台空港へ。

外せないのは本州最北端の大間岬・最東端のトドヶ崎。

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約1000-1500kmの旅程になるだろうとは考えていたが、計画は厳密には決めていない。

往々にして厳密な計画は想定外の出来事によって綻びが生じ、下方修正を強いられる。

そんなことでストレスを溜めても仕方がないので、

ざっくりと「このへんで寝れそう」「このへんで風呂に入れそう」「このへんで飯が食えそう」

くらいをBプランCプランくらいまで選べる状態にしておけば十分だ。

それでもどうしようもなくなったら輪行すればいい。

初日は始発で福岡空港へ向かう。

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今回は平均120km/日くらいの旅になりそうなので、相棒はロードバイクであるRIDREY FENIX ALにした。

ツーリングスタイルはバイクパッキングに決め、着替えやテントやシュラフをフレームに積み込む。

アドベンチャーバイクやクロスバイクと比べるとかなり軽い。

輪行も楽だ。

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自転車の旅で最もワクワクするのは、駅のホームで始発の電車を待っているときだろう。

鉄の塊はこれまで知らなかった世界へ体を運んでくれる。

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新潟行きの飛行機は小型のプロペラ機だった。

大きな飛行機と比べるとなんとなく心許なかったが、プロペラは力強く回りだし、空へ飛び立った。

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初日はあいにくの曇天、予報では新潟はそこそこ雨が降っているらしい。

出発

新潟空港に降り立ち、自転車を組み立てる。

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あ、、エンド金具が仕事しとらん。。。

もしディレーラーが逝っていたら、初日はこれで終わる。

ビクビクしながらホイールをはめて荷物をまとめる。

なんとかギアチェンジはうまくいくようだ。よかった。

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2019年4月26日。

AM 11:00 新潟空港は雨。

どうやら初日から試されているらしい。GWとはいえ雨の日の東北は寒い。

今日は山形の鶴岡市に住む友人宅まで行く約束をしている。

走ろうか輪行しようかツーリングマップルを眺めながら考えていたが、

この雨では空港から新潟駅までの数キロを走っているうちに濡れてしまうので、

もう走ってしまえという気持ちになった。

ビンディングシューズに履き替えて、北へ向けて出発する。

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雨はしっかり降っていて、2分も経たないうちに靴は水を含んで重くなった。

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予想以上に寒いし、海は灰色だし、楽しくない。

だけど、進むしかない。

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海岸線をゆく国道345号。アップダウンは少ないものの、風力発電が一列に並んでいたり黒松の林が突然現れたり飽きない道だ。

晴れていれば楽しいシーサイドサイクリングだったに違いない。

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親鸞とパンク

雨に耐えながら走っていると何やら巨大な像が見えた。

親鸞の像らしい。人っ気がないので観光地ではないようだ。

まともな写真を撮っていないので、とりあえず記念に1枚だけ撮っておく。

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雨脚は弱まる気配がない。

レインウェアは着ているものの、数時間雨にうたれれば染みてくる。

濡れた体は冷えて、手がずっと震えている。

淡々とペダルを漕いでいると、前輪から「プシュー」という音がして、一気に空気が抜けた。

注意が散漫になり、ガラス片を踏んだらしい。前輪は完全に潰れ、タイヤはしっかり破れていた。

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自転車を押し歩く。なんて日だ。

あのトンネルまで歩いて、雨を凌いでタイヤとチューブを交換しよう。

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予備にと持ってきていた交換タイヤは初日から使ってしまった。

チューブはまだあと2本ある。

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震える手で修理していると女性が歩いてきて「旅のお方..」と声を掛けられた。

優しい地元住民の方だろうか。心が折れかけているので、人と話せるだけでも気が楽になるというものだ。

記念すべき第一町人。いったい何の話をするのだろう。

謎の女性親鸞様って知っていますか?」

ダメだ...宗教勧誘だ...。今日という日はどうしてこんなにツイていないんだろう。

親鸞って、この道のちょっと手前の方にあったでっかい大仏ですよね?」

「???」

なぜピンとこないんだ。勧誘したいんだろう?近所なんだからそれくらい抑えておきなさいよ。

「うちの仏間に祀ってある親鸞様に手を合わせれば幸せになれるんですよ」

あからさますぎる。もっとましな誘い方はなかったのだろうか。

そんなんじゃ誰も捕まらないよ、と思いながら適当に断りタイヤとチューブの交換を続けた。

東北地方へ

体は完全に冷えてしまった。

がたがた震えながら雨の中を再出発する。

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山形県に突入する頃にはもう暗くなってきていた。

ようやく東北地方だ。

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雨脚は強まるばかりだ。

鶴岡で飯の約束もあることだし、真っ暗になってしまったので、目的地まで残り30kmを残して輪行することにした。

修行しに来ているわけではないのだ。辛くなったら趣味ではない。

駅で本数の少ない列車を待ちながら友人に輪行する旨を伝えると、車で迎えに来てくれるという。

輪行袋に入れた自転車を車に積み、助手席に載せてもらった。

車の暖房があたたかかった。

長い長い12連休。まだ旅は始まったばかりだ。

2日目へつづく