せたログ

主に自転車の旅について,不定期投稿します

GW東北一人旅day06

2019年5月1日。

令和最初の朝は本州最北端の大間岬で迎えた。

これから東北旅の後半戦がはじまる。

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写真奥の小島に建っているのは大間埼灯台

南下開始

朝は民宿で朝食をいただき9時頃にゆっくり出発。

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まだ朝なのに大間岬にはちらほら人出があって、賑わっていた。

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本州最北端の地を制したので、次は本州最東端の地「トドヶ崎」へ向けて南下する。

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たくさんのウミネコたちに見送られてペダルを回し始める。

イカスミラーメン

民宿に泊まると楽だし飯はおいしい。だけど朝食の時間は決まっているから日の出前の出発は叶わず、距離が稼げなくなる。

その日その日で何に重きを置くか。走行距離なのか、うまい飯なのか、心安らぐひとときなのか。全ての選択は何かとのトレードオフになる。

今日、昨日までのように距離が稼げないのは民宿を予約した時点で決まっていた。

だけどそれでいい。全ての選択は全て自分自身の手の中にあり、誰にも邪魔されることはない。

一人旅は自由なのだ。

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下北半島の海岸沿いの道を南下してゆく。大畑町を経由して恐山へ行ければ今日は十分だ。

今日も雨がぱらぱらと降っている。ここまで、この旅の日程の半分以上は雨だ。

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気晴らしにすれ違うライダーさんへ”ヤエー”してみることにした。

手を振り返してくれると少し楽しい。

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国道沿いに立派なアーチ橋の遺構があった。

建設途中のまま放棄された幻の路線「大間鉄道」の一部だ。

ここの他にも大間鉄道の遺構は点在しているらしい。

そのまま大畑町まで南下し、コインランドリーを探した。

もうお昼時だったので、洗濯を待っている間地元の方に声をかけておすすめのお店を紹介してもらった。

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「美奈美食堂」をというお店の「いかすみラーメン」をいただく。

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麺にはイカスミが練り込んであり、真っ黒。

見た目のインパクトは強いが、とても食べやすくて美味だった。

注文したのはいかすみラーメンだけだったが、タコのからしあえもサービスしてくれた。大将ありがとう。

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令和始動のニュースが流れる中、自転車乗りだという店員さんとひとしきりお喋りして、再びサドルを跨いだ。

恐山へ

小雨が降り続く中、大畑町をあとにし県道4号線を走る。

このあとの目的地である日本三大霊場・恐山は外輪山に囲まれているため、標高450m程度の峠を越えなければならない。

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やはり、雪が積もっていた。県道4号線の峠を越えると硫黄の香りがしてくる。

小雨は降ったりやんだりしているが、雲は相変わらず低く垂れこめている。

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道路と並走する川は黄色く、硫黄の匂いは一層強くなり独特の雰囲気。

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恐山は三途の川の向こう側。ここから先は”あの世”だ。

チケットを購入し、中へ進む。

聞き覚えのある声がした。昨日竜泊ラインと竜飛崎で出会ったおじさんだった。

「どこかであうかとおもってたよ」と言われたが、まさか本当に再会するとは。

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天気も相まって、物凄く重い空気の中を散策した(快晴だったらこんな物々しい雰囲気を感じることはできなかったはず)。

恐山は広く、至る所に仏像が鎮座し、石が積まれ、硫黄が噴出し、かざぐるまが回っていた。

かざぐるまは亡くなった子供の霊が淋しくないように供えるのだとか。

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かざぐるまがカラカラと音をたてて回り、宇曽利湖のある極楽浜からは東日本大震災で亡くなった方々を追悼する鎮魂の鐘が静かに響いていた。

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”あの世”という言葉に似つかわしい風景。私も死んだらここへ来るのだろうか。

今日の極楽浜-宇曽利湖はこんな暗い色をしているが、晴れの日であれば鮮やかなエメラルドグリーンとなるそうだ。極楽と地獄は実は同じ場所にあって、見え方が違うだけなのかもしれない。

そんなことを考えていたら雨脚が強まってきたので、軒下であまやどり。

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雨脚が弱まるのを待って、恐山をあとにした。

CAMP

雨は止む気配がない。

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濡れてしまったが連日の民宿はお財布へのダメージが大きいし、走行距離も稼げなくなので今日はキャンプ場へ行こう。

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再び外輪山を越えると、むつ市街が見えた。雨で空が見えないので分からないが、そろそろ太陽が沈みはじめる頃だろう。

むつ矢立温泉キャンプ場へ到着。

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サイトは桜が満開。きれいだけど、芝の足場は濡れてじゅかじゅか。他のキャンパーさんもいたので諦めてテントを設営した。

キャンプ場併設温泉の熱い湯に浸かって疲れを癒した。

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山中にお店はなかったので、飯は大畑町を出るときにあからじめ買いだしておいたものを貪った。

雨の音を聞きながら、テントの中で眠りについた。

7日目へつづく。

GW東北一人旅day05

2019年4月30日。平成の最後の1日。

東北一人旅5日目の朝がやってきた。

竜泊ライン

4時台に起床し、テントの中でひとり昨日コンビニで買っておいたおにぎりを食べる。

今日は確実に午後から雨の予報だ。

竜飛崎の地を踏んで南下し、外ヶ浜町から下北半島へ渡っておきたい。

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5時に道の駅 小泊を出発した。

国道339号線ー竜泊ラインをゆく。

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道端に滝がある。七つ滝というらしい。

最果て感がでてきた。

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12%。早速素晴らしい斜度だ。

寝起きの体に容赦がない。

坂道を上っていると鼻血がでてきた。

どうやら連日の長距離走の疲れが溜まってきているらしい。

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今日は風が強い。空もうっすら曇っていて、雨が近づいてきていることを予感させる。

海は近いのに山奥にいるような不思議な感覚。

相変わらず鼻血は止まらない。急な上り坂と突風で倒れそうになる。

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すごいところに道を作ったものだ。

休憩がてら九十九折りを眺めていると、車が坂道を上ってきた。

中に乗っていたのはハットをかぶった品の良さそうな60代くらいのおじさん。

彼もまた、一人旅をしているのだという。

少しだけ言葉を交わして別れを告げる。

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今日もまた津軽富士こと岩木山が見える。

山は高いところから見るのがきれいだというけれど、全くそのとおりだ。

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昨日走ってきた津軽平野も彼方に見える。

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ずっとファインダーを覗いていたい。

竜飛崎へ

延々と続く九十九折りを上りきると、小さな展望台があった。

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標高約450m。

ここからあとは竜飛崎へ向けて下り坂だ。

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津軽半島の形がよく見える。

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先端の白いのが竜飛埼灯台だろう。

津軽海峡の向こうは北海道。

この海の底を、北海道新幹線が走っている。

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登り坂はあんなに長かったのに、下り坂はあっという間に終わる。

ペダルを殆ど漕ぐこともなく、山奥の景色は後方へ飛び去った。

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竜飛崎に到着する。灯台は最果ての地の証。

竜飛崎は風の岬と呼ばれている。ずっと強い風が吹いていた。

ここでも竜泊ラインの途中で出会ったハットをかぶった車のおじさんと遭遇した。

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階段国道にて写真を撮ってもらった。

今朝から走っているこの国道339号線はここから階段へ姿を変え、漁港まで続くのだ。

またひとしきり話して、別れを告げる。またどこかで出会うかもしれない。

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ここ竜飛崎といえば、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」

歌詞の2番が妙に強調された石碑が建っている。

石碑には如何にもな赤いボタンがついていたので押してみると

ッテレレレ~~ ッテレレレ~~

紅白歌合戦で聞き覚えのあるイントロが大音量で流れ出した。(歌は2番だけ。竜飛崎推しが強い)

観光客が来るたびにボタンを押していくので、ここら一帯は常にこの曲の2番が流れている状態となる。

最果ての地で味わいたい静かで少し淋しい雰囲気とは...などと考えさせられる(観光地化に成功しているのであればそれはそれでよし)

津軽半島下北半島

午前7時40分、竜飛崎をあとにする。

このあとは一旦、今別→外ヶ浜と南下してフェリーで下北半島へ渡り、海峡ラインを走って大間へ向かって北上する予定だ。

今日もまた、どこまで行けるかは分からない。

むつ湾フェリーは10時台を逃すと次の便まで5時間ほど待たなければならない。

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風速6mの向かい風。

最果ての地。辺りには何もない。

2時間半程度であと50kmを走り抜ける必要がある。

トレインが組めないソロでの向かい風は、辛いものがある。

・・・

約2時間半、ずっと向かい風は続いた。

なんとか蟹田のフェリーターミナルへたどり着く。

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人が多い。受付はまだ終了していないらしいが、間に合っただろうか...

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ギリギリチケットがとれた。ひと安心。

フェリーで陸奥湾を渡る約1時間は体を休めることができる。

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この旅最初で最後のフェリー輪行だ。

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バイバイ、津軽半島

ぼっち作戦会議 in フェリー

いよいよ黒雲が低く垂れ込め、今にも雨粒が落ちてきそうになってきた。

フェリーの中で急いで民宿の予約をした。雨の中での野営ほど心が折れるものはないからだ。

とった民宿の場所は本州最北端・大間岬。

フェリーが到着する脇野沢村から更に80kmほど走る覚悟を決めた。

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今日見たコンビニは竜泊ライン・竜飛崎を通過した後の今別町で見たファミリーマートだけだった(フェリーに遅れないよう急いでいたので立ち寄れてすらいない)。

勿論海峡ラインにもコンビニ補給はない。

大間へと向かう途中の佐井村に1つだけローカルコンビニがあるようだが、開いている保証はない。

フェリーから降りたら大間までは無補給のつもりで、商店を見つけて食料と水分を書い足しておいたほうがよさそうだ。

海峡ラインも竜泊まりラインと同様、アップダウンが激しそうなので、ハンガーノックになりかねない。

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フェリーをおり、脇野沢のローカル商店でパンと水分を購入。

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ローカルいろはすもGET。

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いざ、海峡ライン!

地獄の海峡ライン

国道338号線-海峡ラインもまた、竜泊ラインと同様に海岸沿いの山深い道だった。

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脇野沢から大間までは、直線距離こそ大したことがないように見えるが、道路が激しくワインディングしていて果てしなく遠い。

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そしてついに雨雲に追いつかれる。

雨が激しく降ってきたので、路肩で雨宿りしていると、大間にいたことがあるという教師のおじさんに声を掛けられた。

「まだまだアップダウンあるし先は遠いよ」と。

濡れて寒いからといってここで立ち止まっていても、大間には辿り着けない。

悴む手でハンドルを握り、再び雨の中へ飛び込んでゆく。

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海峡ラインも竜泊ラインと同様に最高到達点は標高500m程度だ。

明日から5月だというのに、路肩にはまだ雪が残っている。

朝に敵だった風が時折味方してくれるとはいえむちゃくちゃなワインディングとアップダウン。なかなか進まない。

青森の半島の西海岸線はどうしてどちらも急峻なのだろうか。

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降り続く雨でレインウェアが完全に染みてしまった。体が芯から凍える。

登れど下れど雨で絶景が見えるわけもなく、ただ辛い。

仏ヶ浦

この海峡ライン唯一といっていいスポットがここ仏ヶ浦だ。

巨大な奇岩が立ち並び、日本の秘境100選にも選ばれている。

標高130mあたりに自転車を停め、海まで歩いて下りなければならない。

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徒歩、というより下山に近い(帰りはこの道を登り返さなければならない)。

ビンディングシューズにクリートカバーをつけてはいるものの非常に歩きにくい。

靴に履き替えればよかったのだろうが、これ以上何も濡らしたくなかったので諦めた。

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雨なのに海は深い蒼、巨大な奇岩が遠近感を狂わせる。

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この地についた名前のとおり、ここが極楽浄土への入り口なのかもしれない。

本州最北端へ

自転車を置いてきたところまで歩いて登り、再び海峡ラインを走る。

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雨脚は徐々に弱まってきたが、アップダウンは相変わらず容赦しない。

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突如目の前に現れた巨岩は「願掛岩」というらしい。

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小さな祠があった。古くから岩石信仰があるのだろう。

佐井村まで気力だけで走り抜けると、そのあとは比較的平坦な道となった。

佐井の6時のチャイムが懐かしさを感じさせる。あと少しだ。

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次第に辺りが暗くなってゆく。

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日が暮れる不安と、目的地へ到達できる高揚感が入り混じった感情を抱えて走る。

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まだ、ぎりぎり薄明かりは残っている。

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18時50分、大間崎到達。本州最北端の地踏破だ。

土産物屋の閉店に間に合ったので到達証明書とステッカーを購入し、岬の目の前にある民宿「マリンハウス民宿くどう」へ向かう。

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雨の中頑張って走った自分へのご褒美として、大間のまぐろをはじめうに・いくら・サーモン・ほたてなど海の幸が並ぶ(地酒もいただいた)。

自転車はご厚意で玄関の土間に置かせていただいた。

風呂で冷えた体をあたため、濡れた衣類を洗濯し、令和の瞬間はひとり、あたたかい部屋で迎えた。

6日目へつづく。

GW東北一人旅day04

旅人の朝は早い。

2019年4月29日、早朝5時に起床。

大潟村の道の駅の隅っこに建てていたテントを片付け、隣接するセブンイレブンへ。

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あたたかいコーヒーを飲み、適当に飯を食べて6時前には出発した。

もっと北へ

青森のルートは悩ましかった。

ゴールデンウイークはちょうど東北地方の桜シーズン。

弘前市花筏は有名なので、一度は見ておきたい。

だが、日程的に弘前まで回り道している余裕はない。

それに有名スポットは車で混雑するし、人も多い。

閑散とした場所を求めて旅に出ているのだ。端っこへ行こう。

5月頭にはまた雨が降るそうなので、予定を巻くべくひたすら北をめざす。

本州最北端の大間岬にはせめて雨が降る前に辿り着いておきたい。

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今日もいい天気だ。大潟村の直線道路は走っていて気持ちがいい。

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能代市に入る。賑やかな街は久しぶりだ。

雪を蓄えた山々が美しい。

颯爽と市街地を走り抜ける。

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あっという間に街を通り過ぎて、また静かな道になる。

北上するにつれて、桜が葉桜から満開に近づいてゆく。

まるで時間が巻き戻ってゆくようだった。

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青森県に入る。

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何もない場所。

あるのは一本道と青い海と、辺りに漂う春の気配だけ。

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青森県深浦町

国道101号線を北上していると、深浦という町に辿り着いた。

白神山地が雪を蓄えている

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午前11時、ようやくお店が開く時間帯だ。

今日は既に85kmほど走った。

天気もいいし、かなり足を伸ばせるかもしれない。

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セイリングという食事処に入ってみた。

カウンターの広い、あたたかみのあるお店。

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海彦山彦定食、2000円。贅沢だ。

まぐろの皮や胃袋や山菜などの小鉢が大量に入ったごはんをいただく。

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ここ深浦は青森で最もまぐろの水揚げ量が多いらしい(なんと有名な大間より多い)

まぐろの胃袋なんて、初めて食べた(こりこりした触感が特徴的で美味しかった)

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腹を満たし、更に北を目指してまた走り始める。

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千畳敷から、遥か海の向こうに北海道が見える。

道南の松前半島の山脈だろうか。

岩木山

たまに足をとめてファインダーを除きながら、淡々と北を目指して走り続ける。

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絶景は突然に現れる。

カーブを曲がると、そこには冠雪した雄大岩木山が居た。

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油断していた。

予期せぬ絶景が現れたときの高揚感。一気にアドレナリンが分泌される感じ。

こんな感覚を求めて、私は旅に出ているのかもしれない。

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少し走っては足を止め、そのたびにファインダーに立派な山体を収めていた。

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津軽平野

岩木山を背に、津軽平野の最も海側の道「メロンロード」を走り抜ける。

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最も海側の道といっても海岸線までは1km程度あり、見渡す限り田畑が広がる平坦でのどかな道だった。

日本海側のイメージどおり、風力発電が多い。

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新しい風車の建築も進んでいるようだ。

(※ウィンドファームつがるという風力発電施設群の建築だったらしく、本記事執筆2020年4月時点で営業開始したらしい。)

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津軽の桜は満開。

ただの平野と思いきや、景色がどんどん変わって飽きさせない道だ。

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メロンロードを逸れて海岸側へ下り、高山稲荷神社に寄り道。

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立派な千本鳥居が拝めた。

次第に日が傾いてきた。

しじみラーメンと夕暮れ

ツイッター津軽のおすすめときいていた和歌山というお店を目指し急ぐ。(閉店が早いらしい)

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開いているだろうか...?

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ぎりぎり間に合った。(到着した16時半にちょうどラストオーダー)

名物のしじみラーメンをいただく。どこか懐かしさを感じさせる味がした。

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ラーメンであたたまり、ひと息ついたら再びサドルを跨ぐ。

もっと北へ。

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いよいよ空が青から橙へ色づきはじめた。今日はどこまで行けるだろう。

今日の終着地点も、テントが張れるスペースがあればどこでもいい。

行けるところまで。

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お昼には目の前にあった岩木山が、今は海の遥かむこうにある。

遠くまで走ってきたことを実感する。

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権現崎へ沈んでゆく日本海の夕陽を眺めていた。

今日はいろんな景色をみたし、美味しいものもたくさん食べた。素晴らしい1日だった。

明日も事故なく走れますようにと夕陽に手を合わせ、ラストラン。

この先はいつ店舗が見つかるかわからないような最果ての地だから、ファミリーマートで晩飯と大量の補給を買いだして道の駅小泊へ。

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陽が沈むと一気に暗くなる。

明日はまた雨の予報。

雨雲から逃げるように、更に北を目指すだけだ。

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憧れの竜泊ラインも通行できるらしく、期待に胸を躍らせ道の駅の隅っこのコンクリートの上で眠りについた。

5日目へつづく。

GW東北一人旅day03

2019年4月28日。東北ツーリング3日目。

待ちに待った青空が、秋田の街の上に広がっていた!

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青い空と青い海

快晴の秋田を快走。追い風に押されて走る。

今日は男鹿半島をぐるっとまわって大潟村へ向かう。

昨日・一昨日と雨にうたれて寒い思いばかりしていたので、青空が拝めているのは夢のようだった。

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まだ10kmそこらしか走っていないけど、これはもう100点だよ。

バイパス道の脇にサイクリングロードがあった。

海風を感じながら走るのはやはり良いものだ。最高。

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そんなこんなで気持ちよく走っていたら、道がどうやら怪しくなってきた。

砂に足をとられる。

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案の定、転んでしまった。

落車したことさえ楽しく思えてくる。

男鹿半島

なまはげの聖地・男鹿半島へ突入する。

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電柱より少し大きいくらいのなまはげたちがお出迎えしてくれる。

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こんな形相の面で「泣く子はいねが」と追いかけられたら、そりゃ子供は泣くだろう。

大人の私でもこわい。

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お昼は海鮮市場で海鮮丼。これがまた絶品だった。

海岸線をゆくここから数日の間は、海の幸を味わい続けることになるんだろうなと予感する。

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海の向こうには、昨日雨で見えなかった鳥海山がたっぷり雪を蓄えてそびえていた。

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岩場には「ゴジラ岩」なんてものもあった。

想像していたよりもちゃんとゴジラだった。

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男鹿半島は絶景の連続。

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アップダウンが激しいが、目まぐるしく景色が変わって「最高」の一言に尽きる。

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海へと続くかのような坂道を颯爽と下る。

初夏の心地よい風が汗を吹き飛ばしてゆく。

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いくつもの坂を上っては下る。

坂が次第に緩やかになってきた。

目の前には荒涼とした景色が広がっている。

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原野の中を走る一本道。

最果ての地という言葉が似つかわしい。

大好きな風景だ。

入道崎

男鹿半島の端っこ、入道崎に到着した。

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立派な灯台が立っている。縞々でかわいい。

あとから調べてわかったことだが、この灯台は人がのぼれる全国16基の灯台のうち貴重な1つだったそうだ。

そうとも知らず登らず写真だけ撮って満足していた。

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ここはなまはげの像が多い。

中には人が近づくと喋りだすなまはげの像もいた。こわい。

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入道崎のみさき会館というお店にてUFOラーメンをたべる。

塩系のさっぱりした味、を掻き消すほどの見た目のインパクト。

エイリアンかな?

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「じゃん....」が気になる....

大潟村

UFOラーメンを食べ終わったころには日が傾き始めていた。

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太陽を背に今日の宿である大潟村の道の駅目指して走り出す。

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海岸線に沿って延々と風力発電が並んでいる。

ザ・日本海側といった感じがする。

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男鹿半島を一周して、半島の付け根あたりまでやってきた。

車は少ないし、走り応え、撮り応えも十分で大好きな半島になった。

夕陽が暮れてゆく。

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ツーリングマップルを眺めてルートを決めていた時に、大潟村に10km以上続く直線道路があるのを見つけた。

しかも、道路に「菜の花ロード」「菜の花桜ロード」と命名されていた。

これはすごい景色がみれるのではなかろうかと期待してやってきた。

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大潟村は予想を大きく上回ってきた。

なんだこれは。

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桜並木と菜の花の壮大な景色。

どこまでもまっすぐ延びた道。

この世にこんな景色が存在するなんて。

それに、桜や菜の花が咲いている時期にここへやってこれたのはただただ運がよかった。

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近くの温泉に入り、道の駅の邪魔にならないような軒下にテントをはって寝た。

久しぶりの道の駅泊。人権などない。端っこで小さくなって眠るだけだ。

夜中は雨がうちつける音がした。

屋根のあるところにテントを張っておいてよかった、などと思いながら再び眠りについた。

4日目へつづく。

GW東北一人旅day02

山形県鶴岡市に住む友人宅で目が覚める。

2019年4月27日。東北ツーリング2日目の朝だ。

続・悪天候ライド

朝から雨風ひどかった。

昨日より天候が悪化している。寒い。

どうしても走る気持ちにはなれない。

輪行するかなあ、でも甘えたくはないよなあと悩みながらスマホを眺める。

秋田駅前の東横インを予約した。

どう考えてもしっかり濡れて凍える1日になるのだから、あたたかいところで眠りたいし、ギアは広げて乾かしておきたい。

高くついたが仕方がない。秋田市まで走って屋根のあるところで眠る。

あわよくば美味しい地酒をいただく。きりたんぽも食べたい。

それだけが今日のモチベーションなのだ。

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レインウェアを着て、友人に道案内してもらって走り出す。

気温1桁の雨は体にも精神にもくるものがある。

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向かい風、横殴りの雨、こごえる体。私はどうして走ってるんだろう。

シーサイドツーリングってこんなにつらかったっけ。

遮るものがないから風が容赦なく吹き付ける。

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グローブも中まで水が染みてしまい冷たいだけなので、外してしまった。

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せめてもの観光に、酒田市の山居倉庫。

趣のある倉庫群と木製の橋が良い雰囲気だった。

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雨は降ったり止んだりしながら、じわじわと体力を奪う。

強い向かい風がずっと吹いている。

秋田市はまだ遥か彼方。心が折れそうになる。

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青看板に青森県を捉えた。

まだまだ先だけれど、着実に北へ進んでいる。

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お昼は道の駅鳥海にて牡蠣丼。

あたたかいご飯が何よりおいしかった。

今日は何も見えないが、晴れていればたっぷりと雪を蓄えた独立峰鳥海山が見えたのだろう。

秋田県

国道7号線をひたすら北上してゆくと、秋田県に入った。

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このあたりは桜の花びらが散って、葉桜の季節らしい。

もっと北上していけば、満開の桜に出会えそうだ。

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由利本荘の市街を抜けたら、あとはずっと日本海を臨む一本道。

「晴れていれば」という思いは拭えないが、十分良い景色だ。

雨は次第にあがってゆく。

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荒涼とした風景が延々と続く。

冬場の日本海はずっとこんな天気なのだろうか。

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夕暮れにようやく太陽がほんの少しだけ顔を見せてくれた。

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夕陽を拝んだ海辺に、ひっそりと日本ロケット発祥記念之碑があった。

今から約65年前にこの地で日本最初のペンシルロケットが高度600mまで飛び立ったらしい。

空への浪漫が詰まった場所だ。

ja.wikipedia.org

明日に少しだけの希望を託してあとはナイトラン。

秋田駅に到着したのはすっかり日が暮れて暗くなった20時ごろだった。

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体は冷え切って震えていた。

酒を飲みたい。とびきり美味い酒を。

かまどやという居酒屋へきりたんぽを求めてゆく。

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今日も悪天候の中、よく走った。

お疲れ様と自分の体を労う。酒が美味いなあ。

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蛇口から日本酒がでてくる珍しいお店だった。

夢がある。幸せだ。諦めずに走ってきてよかった。

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夜はびしょ濡れのギアを床に広げて乾かし、風呂場で服を洗って乾燥機にかけた。

素手で洗濯物を思い切り絞っていたら指の皮がむけた。

明日からようやく晴れるらしい。なまはげ求めて男鹿半島へ。

3日目へつづく

GW東北一人旅day01

「もっと遠くへ行かなければ」

大学を卒業した後もずっと、そんな思いに駆り立てられていた。

2019年のGWは平成から令和への改元で10連休となった。

長期ツーリングをするのならここを逃すわけにはいかない。

東北地方は学生時代に一切走らなかったし、走ろうという話があがったこともなかった。

近場の九州、定番の北海道やしまなみ海道、乗鞍や富士山はサイクリング部時代に走ったが、東北は九州からのアクセスが悪い。

18きっぷで行くには時間がかかりすぎてつらいし、航空券は安くない。

だけど、今行かなければ、もう走れないかもしれない。

10連休に会社の有休を+2して、奇跡の12連休が錬成された。

1か月のうちほぼ半分が休みだ(勿論、旅の後は残業地獄になった)

航空券をとって、身支度をした。

5度目の一人旅。今回はどんな景色に出会えるだろうか。

新潟へ

旅のプランは福岡空港から新潟空港へ飛行機輪行

そのまま時計回りに海岸線をぐるっと走って仙台空港へ。

外せないのは本州最北端の大間岬・最東端のトドヶ崎。

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約1000-1500kmの旅程になるだろうとは考えていたが、計画は厳密には決めていない。

往々にして厳密な計画は想定外の出来事によって綻びが生じ、下方修正を強いられる。

そんなことでストレスを溜めても仕方がないので、

ざっくりと「このへんで寝れそう」「このへんで風呂に入れそう」「このへんで飯が食えそう」

くらいをBプランCプランくらいまで選べる状態にしておけば十分だ。

それでもどうしようもなくなったら輪行すればいい。

初日は始発で福岡空港へ向かう。

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今回は平均120km/日くらいの旅になりそうなので、相棒はロードバイクであるRIDREY FENIX ALにした。

ツーリングスタイルはバイクパッキングに決め、着替えやテントやシュラフをフレームに積み込む。

アドベンチャーバイクやクロスバイクと比べるとかなり軽い。

輪行も楽だ。

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自転車の旅で最もワクワクするのは、駅のホームで始発の電車を待っているときだろう。

鉄の塊はこれまで知らなかった世界へ体を運んでくれる。

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新潟行きの飛行機は小型のプロペラ機だった。

大きな飛行機と比べるとなんとなく心許なかったが、プロペラは力強く回りだし、空へ飛び立った。

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初日はあいにくの曇天、予報では新潟はそこそこ雨が降っているらしい。

出発

新潟空港に降り立ち、自転車を組み立てる。

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あ、、エンド金具が仕事しとらん。。。

もしディレーラーが逝っていたら、初日はこれで終わる。

ビクビクしながらホイールをはめて荷物をまとめる。

なんとかギアチェンジはうまくいくようだ。よかった。

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2019年4月26日。

AM 11:00 新潟空港は雨。

どうやら初日から試されているらしい。GWとはいえ雨の日の東北は寒い。

今日は山形の鶴岡市に住む友人宅まで行く約束をしている。

走ろうか輪行しようかツーリングマップルを眺めながら考えていたが、

この雨では空港から新潟駅までの数キロを走っているうちに濡れてしまうので、

もう走ってしまえという気持ちになった。

ビンディングシューズに履き替えて、北へ向けて出発する。

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雨はしっかり降っていて、2分も経たないうちに靴は水を含んで重くなった。

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予想以上に寒いし、海は灰色だし、楽しくない。

だけど、進むしかない。

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海岸線をゆく国道345号。アップダウンは少ないものの、風力発電が一列に並んでいたり黒松の林が突然現れたり飽きない道だ。

晴れていれば楽しいシーサイドサイクリングだったに違いない。

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親鸞とパンク

雨に耐えながら走っていると何やら巨大な像が見えた。

親鸞の像らしい。人っ気がないので観光地ではないようだ。

まともな写真を撮っていないので、とりあえず記念に1枚だけ撮っておく。

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雨脚は弱まる気配がない。

レインウェアは着ているものの、数時間雨にうたれれば染みてくる。

濡れた体は冷えて、手がずっと震えている。

淡々とペダルを漕いでいると、前輪から「プシュー」という音がして、一気に空気が抜けた。

注意が散漫になり、ガラス片を踏んだらしい。前輪は完全に潰れ、タイヤはしっかり破れていた。

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自転車を押し歩く。なんて日だ。

あのトンネルまで歩いて、雨を凌いでタイヤとチューブを交換しよう。

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予備にと持ってきていた交換タイヤは初日から使ってしまった。

チューブはまだあと2本ある。

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震える手で修理していると女性が歩いてきて「旅のお方..」と声を掛けられた。

優しい地元住民の方だろうか。心が折れかけているので、人と話せるだけでも気が楽になるというものだ。

記念すべき第一町人。いったい何の話をするのだろう。

謎の女性親鸞様って知っていますか?」

ダメだ...宗教勧誘だ...。今日という日はどうしてこんなにツイていないんだろう。

親鸞って、この道のちょっと手前の方にあったでっかい大仏ですよね?」

「???」

なぜピンとこないんだ。勧誘したいんだろう?近所なんだからそれくらい抑えておきなさいよ。

「うちの仏間に祀ってある親鸞様に手を合わせれば幸せになれるんですよ」

あからさますぎる。もっとましな誘い方はなかったのだろうか。

そんなんじゃ誰も捕まらないよ、と思いながら適当に断りタイヤとチューブの交換を続けた。

東北地方へ

体は完全に冷えてしまった。

がたがた震えながら雨の中を再出発する。

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山形県に突入する頃にはもう暗くなってきていた。

ようやく東北地方だ。

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雨脚は強まるばかりだ。

鶴岡で飯の約束もあることだし、真っ暗になってしまったので、目的地まで残り30kmを残して輪行することにした。

修行しに来ているわけではないのだ。辛くなったら趣味ではない。

駅で本数の少ない列車を待ちながら友人に輪行する旨を伝えると、車で迎えに来てくれるという。

輪行袋に入れた自転車を車に積み、助手席に載せてもらった。

車の暖房があたたかかった。

長い長い12連休。まだ旅は始まったばかりだ。

2日目へつづく

国東半島一周旅day02

旅館にて起床。

今日は国東半島国見から時計周りにスタート地点を目指す。

旧隧道

国東半島の北半分くらいはリアス式海岸となっており、アップダウンとトンネルが続く。

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トンネルは国道213号線上にある比較的新しいものと、その隣に使われなくなった(一部現在も使われている?)旧トンネルが存在している箇所がある。

国道の隣にかなり淋しい雰囲気を醸し出している隧道が口を開けていたので入ってみることにした。

松ヶ尾隧道。

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新トンネルがきれいで整備されているため、車は殆どこちらを通ることがないようだ。

中に入ってみると、空気がひんやりとして重い。

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そして、素掘りのトンネルであることに気づく。

いつの時代に掘られたのだろうか。

トンネルの下の方は崩落が進んでいるようだ。

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トンネル中ごろまでくると、外からの光はまともに入ってこなくなる。

見えるのはトンネル出口の微かな明かりと自転車のライトの灯りのみ。

真っ暗闇の中でコウモリがキィキィと鳴いていて、異様な雰囲気だった。

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他にも幾つか国道脇に旧トンネルがあったが、崩落しているのか入口が塞がれているところが多かった。

ここもいずれは通れなくなるのかもしれない。

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予期しない景色に出会えるから、寄り道はやめられない。

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海沿いのサイクリング専用道

トンネル区間を抜けると、サイクリングロードが現れる。

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幅もたっぷりで自転車専用に整備された路肩。

海風が気持ちいいし、車にびくびくしなくてよいのでとても走りやすい。

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とはいえずっと専用の整備道であるわけではなく、標識の指示に従い裏道を経由する箇所もある。

「本当にこっちで合ってるのかな」と思いながら海藻が干してある海辺の道の脇を通り抜けたりもした。

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サイクリングロード途中の道の駅くにさきは、補給のない自転車道のオアシススポットだった。

併設の「銀たちの郷」にて太刀重を注文。

これがまた美味しい。

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ちゃっかりお土産も購入。

お腹を満たして荷物を増やして最後の坂道へ。

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さらば仁王輪道

1日目の朝に1体見つけていただけの仁王像。

ようやく2体目に出会えた。

半島内にはもっとたくさんいるはずだけれど、他のは内陸部にいるのだろうか。

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杵築を走り抜け、標高450mほどの坂を登ればゴール。

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2日間で150km弱のゆったりプランにて、国東半島一周の旅は終了。

ひどく疲れることもなく、サイクリングをゆったりと楽しめた春の週末となった。

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次は内陸部を走りに行かなければ。

おわり。