せたログ

主に自転車の旅について,不定期投稿します

年末年始紀伊半島一人旅part7

パンクのフラグを見事回収し、チューブを交換することもパッチで穴を塞ぐこともできないまま朝がきた。

山から下りてきた筈なのに-2℃の朝。

ここは温泉の駐車場。かなり冷え込んでいる。

自転車とテントにはしっかりと霜がおりていた。

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目の前の湖からは湯気があがっていた。

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テントを片付け

「明日朝迎えに来るから」と言ってくれたおっちゃんを待つ。

今夜どこに辿り着けるのか見当もつかない。

おっちゃんと白バン

朝7時きっかりにおっちゃんは駐車場へやってきた。

「これ、朝飯」という言葉とともにサンドイッチとコーヒーが手渡される。

何から何まで良くしてもらって申し訳ない。

でっかい白バンに自転車と荷物を積み込む。

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バンには大量の荷物が積まれていた。

新宮市方面へ戻りながら自転車屋を探す。

まだ1月3日の朝。

どの店も開いてはいなかった。

定住せずに国内外で自営業をやっていたという彼の話をききながら車はゆく。

いろんなことをやってみて、飽きたら全く別のことをやって生計を立てているらしい。

若いころは海外、ここ10年はみかん農家、そろそろルーチン化して飽きてきたので次は釣りだという。

サラリーマンも悪くはないけど、こういう生き方も魅力的だ。(やるとは言っていない)

いろんな人がいておもしろい。

・・・

適合するタイヤもチューブも置いている店がなかったので、イオンの自転車屋でパンク修理キットを購入。

タイヤに空いた穴は、ガムテープをタイヤパッチ代わりにして塞ぐことにした。

ガムテープもイオンで購入しようとすると彼に止められた。

「このあと会う釣り仲間でガムテープに強いこだわりあるのがいるから。オカモトの高級ガムテープくれるはずだよ。」

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オカモトといえばゴムのオカモト。

安心と信頼のオカモト。

ガムテープも作っているとは知らなかった。

穴が開くことはないはず。

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これで大丈夫だろう。

チューブの穴もパッチで塞いで自転車は見事復活。

修理したタイヤとチューブを負荷がかかりにくい前輪に移し替えて作業完了。

お世話になったおっちゃんが釣りに行くのを見送り、潮岬に向けて出発する。

ラストランは2人で

昼食をとり、再び走り始める。

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捕鯨云々で話題となった太地町を抜け、本州最南端町串本に入る。

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だんだんと最果て感がでてきた。

端っこ好きには堪らない。

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道中で別の旅人と出会った。

台湾人のサラリーマンの方で、長期休暇に一人でツーリングしているとのことだった。

なんとなく同じ匂いがする。

「一緒に走ろう」と声を掛けられたので、潮岬まで一緒に行くことにした。

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彼は基本ゲストハウス泊らしく、かなり身軽だ。

坂道ではどんどん離されてしまう。

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片や私は、パンパンのサイドバッグにシュラフバックパックにとてんこ盛りだ。

あとからLINEで送られてきた後ろ姿の大荷物っぷりが笑えた。

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潮岬到着。一人旅のゴールは二人で。

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本州最南端から夕陽を眺める。

台湾の彼は市街のゲストハウスへ行くらしく、ここでお別れとなった。

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私は今夜の流星群に期待して、潮岬でキャンプすることにした。

潮岬、しぶんぎ座流星群の夜

戦利品のステッカーと到達証明書を入手できて満足。

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今夜はしぶんぎ座流星群極大。

快晴かつ月明りもなく、観測日和。

先の旅人から「ゲストハウスに泊まりにおいでよ」とLINEがあったが、こんな日に外で寝ないのは勿体ないからと断ってしまった。

星景写真撮影に備えて、さっさとテントを張る。

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1時間ほどシャッターを切り続けたがなかなか流れない。

朝方の方がよく流れるとの情報だったので、一旦寝ることに。

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朝の3時頃に起床し、真っ暗な潮岬周辺をカメラ片手に彷徨う。

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地球照を纏った細い月がのぼってきた。

気まぐれに場所を変えながらシャッターを切る。

数は少なかったけれど、流星を捉えることができた。

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旅の終わり

夜があけてゆく。

あっという間の6日間だった。

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細い月が白んだ空へ溶けてゆくと、あとを追うように日が昇り、新しい1日が始まった。

荷物をまとめて帰路につく。

串本から天王寺までの特急列車に揺られながら、旅路を回想していた。

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走って雪山に登って走ってパンクして、今回も多くの人のお世話になってしまいながらの旅となった。

学生時代と比べると、明らかに1日で走れる距離が短くなった。

それは多分、単純に体力が落ちているからであり、一人故に仲間とのローテーションができないからでもあり、ツーリング中に立ち止まってファインダーを覗く回数が増えたからでもあるのだと思う。

紀伊半島をざっくり一周しようなどと考えていたのに縦断になってしまったし、当初予定していたルートの半分も走れていないけれど、この年末年始に走れなかった道はまたいつか走りに戻って来ればいい。

走り出してみるまで何が起こるのか分からないからおもしろい。それが自転車の旅なのだから、今回もまた良い旅だったのではないかと思う。

おわり。