せたログ

主に自転車の旅について,不定期投稿します

灼熱の天草一人旅part1

目が覚めた。7月14日午前6時半。

本来ならば、午前3時から走らせた車が上天草に到着し、自転車に乗り換えている筈の時間。

それなのにどうして天井を見ているのだろう。

今年の夏は暑い。

準備万端だけど、暑いなか走るのはいやだなあ...

三連休プチ旅

4月から新社会人として働き始めて早数か月。

仕事終わりに2月の北海道旅の写真をRAW現像し記事を書き...という生活を送ってきた。

つまりほぼ毎週のようにセルフ旅テロを食らっていたということになる。

久しぶりの三連休、出かけないわけにはいかない。

キリシタン遺跡が世界遺産として登録された天草を走りたい。

いざ、天草上島・下島一周の旅へ。

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天草上陸!

天草五橋のうち最初の橋を車で渡り、上天草に上陸したのは午前10時半。

既に気温は35℃近い。走る前から行く先が不安になってくる。

荷台に積んだ自転車をおろしてパッキング。時間がないので息つく暇もなく出発した。

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2~5号橋をさくっとわたり上島へ。

天草五橋は交通量が多く狭い路肩を走ることはできなかったので、車道より一段高い歩道を徐行。

1966年に有料道路としての五橋が完成して僅か9年で償還完了し無料開放されただけはある、車がめちゃくちゃ多い。

橋の歩道は橋の終わりの部分に突然大きな段差が現れ、肝を冷やした。(危うく宙を舞うところだった)

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ステンドグラスの天草四郎がお出迎え。

いつの間にかお昼時、空腹に比例して気温もぐんぐん上がってゆく。

折角の天草諸島を目に焼き付けるべく、名勝「高舞登山」へ。

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藪蚊の舞う急坂を越えた先には駐車場。

ここからは歩いて登るらしい。

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多少ガスっているけれど、絶景。

さっき走ってきた橋たちが遠くに見える。

空気が澄んでいれば奥に雲仙岳も見えたらしいけれど、多くは望むまい。

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空腹もピークなのでそそくさと下山。

日陰にひっそりと生き残りの紫陽花が咲いていた。

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海沿いを快走。

水が猛スピードで減ってゆく。

暑さから逃げるように道路沿いにあった食堂「よりみち」に寄り道することにした。

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地元住民のローカルな会話が耳に入ってくる店内。

タコが有名とのことだったので「揚げタコ丼」を注文した。

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暑さにバテたせいで油モノはきつかったけれど、それ以上に美味しかった。

サーバーごと出して下さっていた塩入り麦茶が1.5Lほどあったが、飲み干してしまった。

予想以上に水分が足りていなかったらしい。


「よりみち」から5kmほど走ったところの道の駅ありあけで「リップルジェラート」を注文。

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店員のおばちゃん、ジェラートを乗せ損じて手の甲に落とす。

「ぴっ(手の甲に落ちた塊を乗せなおす)。あ、見た?」

しっかり見てしまったけれど、おばちゃんの笑顔に免じて思わぬサービスを受け取ることにした。

ジェラートの上の塊は、そういうことです。

平和な時間が流れてゆく。

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猛暑とのたたかい

天草最南端の牛深まで行こうと思っていたが全く足が進まない。

ショートカットして下島の中央を進み、日のあるうちに一番の目的地である「崎津集落」を目指すことにした。

水を被り、水を飲み、影を見つけて休み、水を飲み。

延々とコンビニすらない道を走る。

連日の猛暑日の例に漏れず、今日も猛暑日

高温注意報が発令され、原則屋外での運動は禁止とのことだったが、立ち止まったところで涼しくなるわけでもないし、涼しいお店なんてどこにもないし、鉄道も無いため輪行に逃げることすらできない。

自転車は立ち止まった途端に汗がどっと噴き出してくる。走っている方がまだ涼しい。

進むことしかできない。

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下島中央、アスファルトの上、40℃。

意識が朦朧としていて、リップルアイス~崎津集落到着までどんな道を走ったかあまり覚えていない。

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涼しい早朝のうちに距離を稼ぎ、灼熱の午後は涼しい場所を見つけて優雅に過ごすつもりだったのに...

畜生、どうしてこんなことに。(※寝坊したせいです)

崎津集落

陽が傾いてくると多少は走りやすくなった。

海岸線のカーブの先に、ずっと見たかった景色があった。

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夕暮れの崎津集落に到着。

2018年6月30日に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産登録された。

世界遺産登録されたてほやほや2週間、故に「崎津集落世界遺産に」といった看板も多く目にした。もうなっとるがな、世界遺産

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夕日に照らされる崎津天主堂の十字架。

美しい建築だ。

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集落の70%が隠れキリシタンだと発覚した「天草崩れ」の舞台である「崎津諏訪神社」。

弾圧下でも神社にマリア像を忍ばせて「アーメンデウス」と唱え続けていたという。

当時の隠れキリシタンたちは、どうして命を懸けてまで信仰を貫いたのだろう。

神社と教会が共存する不思議な空間がそこにはあった。

天草の夕日

夕日が美しいことで有名な天草。

幸いしっかり晴れている(日中はすごく暑かった)ので、夕日はよく見えるはず。

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崎津の海上マリア像にさよならして、下田温泉へと急ぐ。

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大江天主堂も拝んでいきたかったが、日が沈んでしまうのでパス。

遠目に眺めて写真を一枚だけ。


気温が下がると格段に走りやすくなる。

天草夕日八景の「下田の夕日」を目指して、ペダルを漕ぐ足に力が入る。

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息をのむような絶景に、今日の疲れが吹き飛んだ(気がしました)。

朝寝坊したことも、猛暑に干からびたことも、どうでもいいじゃないか。

ここがパンフレットに載っていた「下田の夕日」のビューポイントではないこともそんな小さなこと、どうでもいいじゃないか。(間に合いませんでした)

ゆっくりと沈んでゆく夕日を眺めながら、いつの間にかどこからともなく現れた蚊に足を刺されながら時間は過ぎていった。

夜と蟹

夕暮れに本日の終着地「下田温泉」到着。

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ここは700年前に一羽の白鷺が傷を癒していたことから発見された温泉なのだそう。

また、源泉かけ流しの下田温泉は、沸かさず・薄めず・循環せずという純粋な天然温泉だとか。

温泉で疲れを癒し、まだ開いている食事処はありませんかと尋ねたが、居酒屋くらいしか開いていないという。

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近辺で唯一開いていた「とと源」という居酒屋に救われたが、熱中症気味なのでお酒は控えることに。

ご当地ものを味わうこともなく、ただただ水分とカロリーを欲していた体に麦茶とカレーライス・唐揚げを注ぎ込むという始末。

今度訪れるときには、ちゃんとお酒と海鮮を味わいたい。

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温泉の受付さんが困った顔で「野宿でしたら...」と教えてくださった場所がこちら。

道路沿いの展望所の駐車場みたいな場所。

真夏の夜にアスファルトの上で野宿です。

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辺りを蟹とフナムシが闊歩していた。

テント内はアスファルトの余熱で蒸れてサウナ状態。地獄。

それに、蟹やフナムシがテントにぶつかって「カサカサ」「カサカサ」と音を立てる。地獄。

滝のように流れ続ける汗で、枕代わりのタオルは絞れてしまうくらいに水分を含んでいた。

無事に朝を迎えることができるのか。

つづく。